身につければ強い!家庭学習の習慣「予習・復習」の達人になる方法
カテゴリー:勉強&進路やり方がわかれば自ら取り組める 〜周囲はグッと我慢で見守るのが一番〜
新課程で学習量・範囲が拡大した現在、以前よりも家庭学習の習慣が重要さを増しています。保護者の立場からすれば、子を思うあまり「勉強しなさい」と言いたくなってしまいますが、これは完全なNGワード。子どもがやる気を失う一言なのです。
家庭学習で何より大事なのは、子どもが自発的に取り組むこと。「明光義塾に来ている生徒の多くは、勉強の必要性を知っています。そのうえで『勉強しなさい』と言ってしまうと、自らやろうとしていたけど〝言われてやっている〞感覚になってしまいます。ですからそこはお子さんを信じて見守ってあげてほしいですね」(池袋西口教室・柏村健一教室長)。
高校生になると、「予習をしないと授業についていけない」と学校から指導され、実際に授業を受けた子ども自身も予習の必要性を痛感します。
「高校生には実際、何も言わないのが一番です。精神的にも結構大人ですから、『勉強しなさい』と〝命令〞されると反抗心が芽生えてしまいます。やらなければいけないことはわかっていて、単に『やり方がわからなかった』という場合もあります。焦ったり悩んだりしても、プライドから保護者の方には相談できない面もあるようです」(東村山駅前教室・岩本健佑教室長)。
指導現場の共通意見は、「実力アップにつながる家庭学習・予習復習の習慣作りは、周囲の大人の〝グッと我慢〞から始まる」ということでした。ぜひ保護者の方も見守ってあげてくださいね。
【小学生編】小学生のときに大事なのは「勉強する時間」を作ること
POINT:保護者が家庭学習を見守ってあげることが大切
学習習慣作り&継続のコツ
小学生の頃から家庭学習の習慣ができているご家庭では、1日の中で「この時間は勉強をする」と、親子ともに納得のうえで決まっていることが多いですね。またそれが「保護者の方が見守ることができる時間帯」であることも特徴です。
見守るというのは、勉強を始めるときと終わったときに、しっかり声がけをすることです。子どもにとっては、保護者の方の「ちゃんと見てるよ」という姿勢が大事なんですね。ただし、勉強中にあれこれ指示するなど声をかけすぎると、やる気がなくなり、親子ゲンカに発展しやすいようです。
勉強時間の目安(中学受験しない場合)は、一般的に学年×10分と言われています。小学生のうちは、自発的に机に向かうことが難しいので、最初の1〜2週間は特に、保護者の方が見守ってあげることが必要だと思いますね。勉強する子どもの隣で、本を読む、資格の勉強をするなど「保護者の方も一緒に勉強する」のもおすすめです。小学生は、家の人のことをよく見ていますから、真似をして勉強するようになります。
予習復習のポイント
小学生は復習中心で、国語の漢字練習・算数の計算問題など反復練習が必要なものがおすすめです。予習では、国語の教科書の音読がよいでしょう。音読への苦手意識がなくなり、授業でも手を挙げやすくなります。
非受験生は「勉強する時間を作る」ことが大事なので、家で難易度の高い問題に取り組ませる必要はありません。保護者としては、子どもの手が止まっているとつい口を出してしまい、子どもの勉強を中断させてしまうからです。結果的に、学習習慣作りにはマイナスとなってしまいます。
まずはここから!
机に向かわせることが難しいようであれば、「今日、どんなことを学校で勉強したの?」とお子さん隣で、本を読む、資格の勉強をするなど「保護者の方も一緒に勉強する」のもおすすめです。小学生は、家の人のことをよく見ていますから、真似をして勉強するようになります。
【中学生編】習慣ができている子の共通点はお母さんの「間接マネジメント」
POINT:頭で考えるより先に、体が答えを書くくらいまで反復
習慣作り&継続のコツ
自発的に家庭学習ができている生徒に共通するのは、「お母さんによる間接マネジメント」が効いていること。直接「勉強しなさい」と言うのではなく、「テスト前には夕食の時間を少し早める」「お子さんの机を整えて、そっと問題集を出しておく」といったように、子どもに対する間接的な応援が上手なんですね。やりなさいとは言っていないけれど、自然と勉強をやる雰囲気になっている。「お母さんはわかっているよ」「テスト近いんだよね、頑張ろうね」という気持ちが言葉ではなく、環境から伝わってくる。子どもはもともと勉強したい気持ちを持っていますから、素直に取り組むことができるようです。
予習復習のポイント
中学生のうちは予習よりも復習を中心にするよう指導しています。予習は学校の授業に取り組む姿勢が断然変わりますので、できるに越したことはありません。でも、中学生にはまだ自分で新しいことを学ぶのは難しい。また、高校受験は偏差値60くらいまでは教科書の内容を徹底理解する努力をすればうまくいくともいわれています。ですからまずは反復練習をして、どんどん覚えていくことが大事です。
復習の仕方は、国語以外は基本的に同じです。授業で習った単語、文法、重要語句や公式をまず頭に入れて、演習問題を何度も解いて体で覚えていく。部活動の練習に近いですが、考えて解くというより、体が勝手に答えを書くくらいまで繰り返すのが理想です。国語は、定期テスト対策なら学校の授業をきちんと受けて、テスト前にノートを見返す。受験のために読解力をつけるには、日ごろから本を読む、たくさんの文章に触れる努力をしておくとよいでしょう。
習慣作りのデッドライン
できれば中学1年の今(2学期)くらいまで、遅くとも2年生になる前には習慣作りをしておきたいですね。2年生は中学3年間で最も中だるみする時期です。反抗期を迎えると学校の先生の言うことも一切受け入れなくなってしまう可能性もあるので、まだ素直な1年生のうちにある程度身につけられるよう指導しています。
難しい時期ではありますが、ぜひ温かく見守ってあげてください。ただし、たまの一喝はOK(笑)。保護者の方の中で不安がたまってしまったときは、ぜひ塾に相談してください。
【高校生編】高校生の学習のポイントは時間の使い方と教材の選び方
POINT:スキマ時間でちょっとずつ、できる時間にやってもOK
小さな変化を認めてあげる
高校生の場合は、何も言わないのが一番ですが、放っておくということではありません。その子なりの変化、成長が必ずあるはずなので、それを認めてあげてほしいですね。それまで家庭学習の時間が0だった子が30分勉強するようになったら、それは立派な成長です。受験を考えるとペースをあげていかなければという心配もありますが、高1〜高2の頃はまず、小さな頑張りをしっかりと見ていてあげてください。
予習復習のポイント
究極を言えば、優先すべきは英語と数学の予習です。英語と数学は学校の授業についていくのに一番苦労する教科です。推薦を狙うか、一般受験でいくか、学年が上がるにつれ少しずつ科目ごとの力の配分は変わってくると思いますが、第一に英語、第二に数学という優先順位はずっと変わりません。
大切なのは、時間の使い方と勉強方法です。高校生の予習復習のやり方に、絶対の方法はありません。家でできないならば家以外で、ちょっとした時間にちょっとずつやるのでもいいんです。部活で忙しいと、学校の授業と部活で疲れ切って、家だと寝てしまう子もいるでしょう。それなら、学校の休み時間、電車通学の子なら電車の中を利用してもいいんです。とにかく「勉強する時間」を作ることが大事なのです。
そして勉強方法のポイントとして知っておきたいのは、参考書と問題集の違いです。
教科書だけでの予習は難しい。これですべて理解できたら、学校はいらなくなってしまいます。ですから副教材が必要なのですが、副教材には参考書と問題集があります。中学生の頃は、参考書と問題集が一冊にまとまっているものが多い。でも、学ぶ量が増える高校では、問題の解き方を解説する参考書と、演習問題をまとめた問題集が別々になることが多いです。
学習内容の定着には問題をたくさん解くのが大事なので、学校では問題集を薦められます。でも予習の場合は、「まったくわからない状態からの理解」なので、問題の意図や解き方の解説が多い参考書が必要になります。
数学でいうなら「チャート式」(数研出版)のようなものですね。高校の数学はいろんな方法(解法)で解けますが、まずは一番間違えない方法で一番早く解ける方法を知るのが大事。参考書には、その最も必要な解き方が掲載されています。
こちらの記事は、明光義塾と保護者をつなぐ情報マガジン『CRECER(クレセール)』2014秋号でもお読みいただけます。
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