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学年末 通知表の見方と活用法

カテゴリー:勉強&進路

学年末 通知表の見方と活用法:学年末の通知表は、学年の総決算。通知表への親の対応次第で、お子さんのやる気は大きくアップします。ここでは、子どものやる気を伸ばす通知表の見方、活用法について、明治大学・諸富祥彦教授にうかがいました。

お話をうかがった方

諸富祥彦(もろとみよしひこ)先生

諸富祥彦(もろとみよしひこ)先生

もろとみ よしひこ 明治大学文学部教授。教育学博士。スクールカウンセラー。現場教師の作戦参謀「教師を支える会」代表。上級教育カウンセラーの資格を持つ。著書に『教師の資質 できる教師とダメ教師は何が違うのか』(朝日新書)など多数。

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通知表の特徴と評価の基準は何?

改めて知っておきたい小学校・中学校・高校それぞれの通知表の特徴と、学校の先生がどんなことを基準に通知表の評価を決めているかを見ていきましょう。

小学校:最も細かくて評価が丁寧子どもが頑張ろうと思える言葉を駆使する

小学校の通知表

  • (A) 学びへの意欲、関心、態度を細かく評価。「もう少し」など前向きな表現で評価されます。
  • (B) 行動の記録は、成長するなかで身につけたい態度・行動ができているかを評価する重要なもの。
  • (C) 所見は、今後伸ばしたり改善したりしたいところを、いかにやる気を持って取り組めるように伝えるか。先生方が頭を悩ませて書いているところです。

特徴と評価のポイント

非常に細かい視点で評価します。これは、結果ではなく、プロセスを重要視し、子どもや親が頑張ろうと思える通知表を目指しているため。評価の基準は「授業中の学ぼうとする意欲」と「テスト」です。小学校の先生は通知表を「保護者との最大のコミュニケーションツール」として考えていますから、普段からよく観察して、熱心に書いています。頑張りや努力はきちんと見てもらえるでしょう。

中学校:評価基準はテスト・出席・提出物やる気と態度も大切

中学校の通知表

  • (A) 各教科ごとに、学習内容がどれだけ身についたかよりも、どんな能力が身についたのかを評価できるように観点別評価になっています。
  • (B) 教科ごとに指導内容が異なるため、他の先生に意見を聞いたりしながら、担任の先生が最も注意を払って書く部分。保護者の方へ、学校活動の報告をする意味もあります。

特徴と評価のポイント

客観性が高まり、形はシンプルになります。教科ごとに別々の先生が評価を出すのも中学校から。評価の基準は「テスト・出席・提出物」で、小学校同様「学習への意欲と関心・態度」が大切です。テストの点数がよいだけでは高校入試に有利な内申点は取れません。

高校:自主性を重んじた客観的でシンプルな形態度・提出物も重要

高校の通知表

  • (A) 定期テストの点数と、普段の課題や長期休暇中の宿題などの提出状況・内容により、科目ごとに評価。大学の推薦入試ではすべての評価の合計を科目数で割った「評定平均」が重要になります。
  • (B) 所見には、頑張った部分、目立つ行動や改善したいところなどが記載されます。生徒の自主性を信頼し、はっきりとした言葉も登場。

特徴と評価のポイント

昔と比べて、小中学校の通知表はかなり変わりましたが、高校の通知表は従来型。評価の基準はおおむね定期テストの点数と提出物で、科目ごとに5段階(もしくは10段階)で出されます。自主性を求める観点から、先生の所見も非常に短くシンプルです。

通知表は子どもを「伸ばす」材料です

通知表は子どもを「伸ばす」材料

現在、子どもの学びに対する評価(学力観)が世界的に変わってきています。結果や知識より、学習に対する意欲や態度などを重視するのです。その理由は、「評価されることによって、より成長しようと思える評価」(形成的評価)を目指しているからです。

小学校、中学校では「よくできる」「できる」「もう少し」などの表現からもわかるように、子どもや保護者が読んで「成長したい」「頑張ろう」と思えるような「子どもの意欲を引き出す通知表」を目指しています。そのために、学校の先生方は大変な時間をかけ、細心の注意を払って通知表を書いています。保護者の方々もぜひ、通知表を子どもを叱る材料ではなく、「子どもを伸ばす材料」として見てくださいね。

通知表のどこをどう見ればよい?

子どものやる気を引き出すために、見ておきたいポイントとは?

通知表ココをチェック

no1

評価がよい、アップした観点を確認する

子どもが頑張ったところ、「評価がよい(前回と同じものも含め)」点、「評価が上がった」点を確認しましょう。伸びたところを指し、「今回も国語を頑張ったね」「数学が伸びたね」など具体的な言葉でその努力を認めてあげてください。子どもの中に自信と意欲が出てきます。

no2

「もう少し」の評価がついた観点を確認する

「もう少し」「評価が低い観点」を見つけると、ついガミガミ言いたくもなります。しかしそこは我慢。「もう少し」努力が必要なところとは…つまり今後まだまだ変わっていけるところ、成長の伸びしろだととらえ、どうやってよくしていこうかを一緒に考えるようにしましょう。

no3

担任の先生からの所見を読んで「意図」を共有

所見(気がついたこと)の欄には、子どもの頑張りや努力について、また教科の観点評価だけでは伝えきれない「もっとよくなるためのポイント」などが記されています。いわば子どものために先生が考え抜いて贈るメッセージ。「○○ができたんだね。次からは○○も頑張ろうか」など、先生と“想い”を共有して、ともに子どもの成長を応援していきましょう。

no4

家とは異なるかも?学校での生活面を知る

委員会や係、部活動など、普段は見られない学校での生活の様子がわかります。ご家庭とは異なる一面が発見できるかもしれません。通知表をきっかけに、「委員会は楽しかった? 何をしたの?」など、お子さんから話を聞くのもよいでしょう。

「どうやる気にさせようか」先生からのメッセージを読む

「どうやる気にさせようか」先生からのメッセージを読む

通知表は、昔は結果を知らせるものでしたが、現在は「子どもをやる気にさせる」ものになっています。保護者の方の通知表に対する印象も変えていただき、先生がどんなところでやる気にさせようとしているのかを、ぜひ所見などから読み取ってください。保護者の方の中には「よくできて当たり前」と思われる方もいるかもしれません。しかし、それでは学校の先生方の努力が無駄になってしまいます。

否定的な言葉が出ないようにするポイントは、「もう少し」の評価を「まだまだ変わっていけるところ」と考えること。決して持って生まれた固定的で変わらないものとは見ないこと。通知表は子どもが「変わろうとする」ための道具でもあるのです。

受け取った後の活かし方は?

「成長する」道具でもある通知表を、お子さんと一緒に活用していく方法は?

家庭でできること
1.親子できちんと話すこと見て、認めて、励まし続ける

親子できちんと話すこと見て、認めて、励まし続ける

通知表を受け取ったら、ぜひ親子で話し合いましょう。頑張りは認め、たとえ評価はいまいちだったとしても否定はしないようにしましょう。「きっとよくなるよ」と信じて励ましてあげてください。
2.気になることがあれば担任の先生に相談を

気になることがあれば担任の先生に相談を

成績や生活面で気になることがあれば、担任の先生に相談しましょう。ただし、学校の先生はクレームに敏感な人が多いので、先生が「批判された」と感じる言葉は控えましょう。まずは日頃の感謝を述べ、「家庭ではどういう点に注意したらよいか」を質問しましょう。
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明光義塾でできること
1.目標と課題を見つける

目標と課題を見つける

通知表が出たあとは、明光義塾の教室長と結果を共有しましょう。学校の先生に相談しづらいようであれば、教室長に気になることを質問してください。通知表をもとに、今後どういうふうに学習を進めていけばよいかを話し合い、目標と計画を一緒に作っていきましょう。
2.長期休暇中の講習で活かす

長期休暇中の講習で活かす

通知表から見えてきた「頑張りポイント(課題)」は、春期講習や夏期講習といった長期休暇の講習で克服していきましょう。教室長や講師が一人ひとりにあった計画を立て、サポートしていきます。
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通知表を一番気にしているのは子ども自身どんなときも親は信頼と期待を

通知表を一番気にしているのは子ども自身どんなときも親は信頼と期待を

通知表を受け取ってすぐ、「よくないね」と批判するのは避けてください。たとえ関心がないように見えても、一番ショックを受けているのは子ども自身です。そこに追い打ちをかけることで子どもの自己否定感を強め、やる気を奪ってしまいます。また、努力したけれど、イマイチなときもあります。そういうときに子どもを叱ってしまうと、「自分はやってもダメなんだ」と思い込み、無気力(学習性無力感)になります。

ある有名な漫画のセリフに「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」という言葉がありますが、まさにこれです。「きっと伸びるから頑張ろう」と励まし、勇気づけ続けるのが保護者の役目です。どんなときも、信頼と期待をかけ続けてください。


こちらの記事は、明光義塾と保護者をつなぐ情報マガジン『CRECER(クレセール)』2015年新春号でもお読みいただけます。

この記事へのコメント

2件のコメント - この記事の感想を募集しています!

シルバーのアイコン画像 まりりん1012さん(埼玉県)
評価の見方を参考にして、学年末の通知表を見てみたいと思います。
グリーンのアイコン画像 超サラブレッドさん(東京都)
年度始まりの学校保護者会では必ず通知表の評価の説明があります。端的に5段階評価の数字や、丸、二重丸のマークだけ見がちですが、それ以外にも気づきがあることを意識して見てみようと思いました。