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自分らしさを仕事にする!明光ワクワクワーク♪:Vol.8 学芸員 梶野 桜さん

カテゴリー:勉強&進路

明光ワクワクワーク

ナオミ

自分の好きなことを発見し、それを仕事にしている人って魅力的ですよね。自分らしさを仕事につなげる秘訣をぜひ知りたいという保護者の声も多いはず。そこで、子どもたちが憧れるあの仕事をしている「しごと人」にインタビューします。

ぼんやりと将来のことを考え始めたお子さんと、それをサポートする保護者が知りたい仕事のお話をお届けするコーナーです。

学芸員 梶野 桜さん

今回、ダイスケとナオミがインタビューしたのは、学芸員の梶野 桜(かじのさくら)さん。目黒区にある総合結婚式場の目黒雅叙園の展覧会の担当として、さまざまな展示の企画・運営に携わっています。
子どもの頃から好きだった美術をお仕事にするための努力や、日々の仕事のなかでの考え方について、メイコミュナビゲーターのダイスケとナオミがお話を聞きました。

学芸員の仕事について

ダイスケ
梶野さん、本日はよろしくお願いします。まずは梶野さんのお仕事の内容について教えていただけますか?

梶野さん

梶野さん
私が働く目黒雅叙園には文化財「百段階段」という保存建築があり、その中で生け花やお雛さま、和の灯りなど年間5〜6本の展覧会を開催しております。私はその企画や運営を行っています。
ナオミ
企画から運営まで、全部お一人でやられているんですか?
梶野さん
私の所属するマーケティング部という部署の皆で、企画・運営・制作などに関わっております。目黒雅叙園では毎年早春に「百段雛まつり」と題して、全国のお雛さまを集めた展示を行っています。今年は「瀬戸内ひな紀行」と題しまして、瀬戸内にある博物館や個人宅のひな人形を集めて展示しましたが、私は雛まつり展の担当として準備に携わってきました。
ダイスケ
具体的にはどのような流れで企画から展示までを行っているのですか?
梶野さん
展覧会の準備はスタートの1年半ほど前から開始します。ずいぶん前から準備するように思われるかもしれませんが、公立の美術館だと展示会までに3年以上の準備期間をかけるところも珍しくありません。
ナオミ
美術展って、準備に多くの時間が必要となるんですね。
梶野さん
はい、例えばお雛さまの場合は、展示開始の1年半ほど前から、専門家の意見を聞きつつ、お雛さまをお借りする地方の美術館や博物館、個人宅などに赴いて挨拶をし、借用品の相談や収蔵品のチェックをしながらリストを作ります。同時に、告知のための写真撮影やチラシ、ポスターの制作なども、カメラマンさんや制作会社さんなどに頼みながら進めていきます。

梶野さんの5つ道具。
梶野さんの5つ道具。
左から「美術品を触るときの手袋」「温度と湿度の計測器」
「大きさを測るメジャー」「細かいところを見るライト」「ホコリなどを払う筆」

ダイスケ
展覧会に多くの人が来てくれるように、宣伝もしなければいけないんですね!
梶野さん
はい、それも学芸員として大事なお仕事のひとつです。また、作品を展示室まで運ぶときも、とても気を遣いますね。美術品を運送する際は、絶対に傷つけたり汚したりすることが許されません。懐中電灯で傷や汚れの有無を入念にチェックし、展示する作品の大きさをメジャーで測ります。梱包する箱は、ひとつひとつの美術品に合わせて美術品専門の運送業者さんに制作してもらいます。

梱包前には傷や汚れのコンディションを細かく確認し、記録します
梱包前には傷や汚れのコンディションを細かく確認し、記録します

梱包される雛人形
梱包される雛人形

ナオミ
ひとつひとつですか。全て大きさや形が違うから既成のものだと対応できないんですね。
梶野さん
はい。さらに、展覧会が近づくとメディア対応のためのプレスリリース作成や、アルバイトさんの募集や管理、運営のためのマニュアルづくりなどを行います。

展覧会準備の様子
展覧会準備の様子

ダイスケ
本当に全部やられているんですね! 大変ではありませんか?
梶野さん
やることは多いですけど、来てくださったお客様に「よい展覧会だった」と言ってもらえたときなどは、仕事に大きなやりがいを感じられる瞬間ですね。
ナオミ
お仕事の魅力が他にもあれば聞かせていただけますか?
梶野さん
仕事を通じてしか出会えない人に会えたり、学校を卒業しても新しいことを学べるのが魅力です。日々、発見のある仕事だと思っています。

好きなことを追求する

ダイスケ
梶野さんは美術がお好きだったのですか?
梶野さん
私は小学生の頃から絵を描くのが大好きで、将来は漫画家とかになれたらな、なんて思っていました。
絵を観ることも好きでしたので、中学生ごろから一人で美術館などにも行くようになりました。その頃からなんとなく、学芸員という仕事に興味を持ち始めましたね。高校もあまり迷わずに美術系の学校に進み、油絵を専攻しました。今でも絵は趣味でして、充実した時間をくれる大切な存在です。
ナオミ
梶野さんはご自身が作り手なんですね。作り手としてではなく、学芸員として美術に携わろうと思ったのはどうしてでしょう?
梶野さん
高校生のときに、イギリスを一人で旅したんです。そのときに、様々な美術館や博物館、ギャラリーを観て、印象深い展示にたくさん出会うことができました。その頃から、作り手ではなく、紹介したり収集したりという立場で美術に携わる仕事を意識するようになりましたね。大学や大学院では美術史を専攻し、学芸員という仕事を目指しながら、現在の仕事に至りました。

取材時に開催中だった「和のあかり展」
取材時に開催中だった「和のあかり展」

ダイスケ
そうなんですか。学芸員の方は、絵を描くのが得意な人も多いんですか?
梶野さん
ぜんぜん、そんなことはありません。実制作の経験がなくても、学芸員になっている方はたくさんいらっしゃいます。博物館であれば理系の勉強をしてきた方もたくさんいらっしゃいますし、美術館でも必ずしも美術系の学問を学んだ人ではありません。ただ、自分が実際に作品を製作していたことで、仕事に役立っている知識はありますね。例えばお客様に油絵の製作過程について聞かれたときに、実体験をもってよりリアルに説明することができます。そういったところは、自分の強みだと思っていますね。

保護者、そして子どもたちに伝えたいこと

ナオミ
梶野さんはどのようなお子さんだったんですか?
梶野さん
基本的には大人しくて、一人で絵を描いたりすることが好きな子どもでした。中高大と、そのまま自分の好きなことを学ぶことができたので、自由にやらせてくれた両親には感謝しています。
梶野さんの意見を尊重してくれたわけですね。夢を追うお子さんの保護者に向けて、メッセージをいただければと思います。

展覧会会場の入口と梶野さん
展覧会会場の入口と梶野さん

梶野さん
私は両親がとにかくなんでもやらせてくれたことは、ありがたかったと今でも思っています。子どもだから突飛な夢を言ったりすることも多いかもしれませんが、とりあえずは様子をみて、適度に見守ってあげる、そんな距離感が子どもにとっては良いのかもしれませんね。
ナオミ
子どもたちには、どのような姿勢で夢にむかって欲しいと思いますか?
梶野さん
いろいろなことに視野を広げて欲しいなと思います。学校の勉強だと、美術のほかには英語が好きだったのですが、大学院の入試や美術系の論文などでは役に立ちましたね。学芸員になるには実質的に修士課程の修了が条件となりますから。また、学芸員をやる上で、テレビ局の方や官公庁の方とお仕事をすることも多々あります。そんなときに、様々な知識があれば、仕事がやりやすくなりますね。
ダイスケ
幅広い視野が大切なんですね。

梶野さん

梶野さん
興味のないものでも、どんどんチャレンジしてみるといいですよね。きっといつか、役立つものになると思います。
ナオミ
梶野さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

自分らしさを仕事にするキーワード:「好きを追求する力」

ダイスケ
小さい頃から絵を描くことが大好きだった梶野さん。その好きという気持ちを仕事に繋げるひたむきさに心を打たれましたね。
ナオミ
ナオミ
ダイスケ
いろいろなことに興味を持つ中で、自分が仕事としていけるような「好き」を見つけられるように、保護者としてサポートできると良いですね!
梶野 桜(かじのさくら)

Profile

梶野 桜(かじのさくら)
学芸員

1987年埼玉県生まれ。埼玉県立芸術総合高等学校、実践女子大学文学部美学美術史学科、一橋大学大学院言語社会研究科を経て、2012年より目黒雅叙園に勤務。

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