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メイコミュTopインタビュー:昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん

カテゴリー:スペシャル
昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん

小さな成功体験の積み重ねが自信を育み、やればできる子が育っていく。

政府の要職を歴任し、自立する女性を応援してきた坂東眞理子さん。使命感をもって仕事に取り組む一方、二人の子どもにもたっぷりと愛情を注ぎました。そんな坂東さんは、どのように子どもたちと接してきたのでしょうか?働く女性として、一人の母親として、あるいは教育者としての視点からお話を伺いました。

PROFILE

ばんどう・まりこ/1946年生まれ
富山県立山町出身。69年、総理府(現・内閣府)に入省。98年、女性初の総領事(オーストラリア・ブリスベン)に就任。2001年には内閣府初代男女共同参画局長となり、ライフワークである女性政策を推進。07年から昭和女子大学学長、14年から理事長を務める。主な著書に「女性の品格」「親の品格」など。

小さい頃は、少しくらいうぬぼれたっていい

まずは、幼少時代のお話からお伺いします。客観的に振り返ってみて、坂東さんはどのような子どもでしたか?

自分で言うのも気恥ずかしいですが、勉強もスポーツも得意な方でした。同時に、ちょっぴり孤独な子どもでもありました。生まれ育った富山県立山町は自然に恵まれていて、幼児期は外で鬼ごっこや縄跳びをして遊んでいましたが、小学校に進学した頃から読書にのめり込んでいったんです。友だちと遊ぶよりも読書に熱中して、親はひやひやしながら見守っていたんじゃないかと思います。

文武両道な子どもですと、ご両親に「勉強しなさい」と怒られるようなことは……。

ほとんどありませんでした。両親は本当に優しくて、私がやりたいことを温かく応援してくれました。ただ、社会人になってから、ひとつ大きな誤解をしていることに気がついたんです。いつの間にか、すべて自分の力でやった気になっていたんです。大人になって初めて、親が陰でサポートしてくれていたことに気がつきました。子どもの時はなかなか気づかないかもしれませんが、親への感謝の気持ちは常に持っていてほしいですね。
一方で、社会に出る前に自信が持てたことは、今思うと良いことだったように思います。社会では他人と比較されて、どうしたって自信を失いますからね。今は自信を持ち過ぎると周りから反発される時代ですが、小さい頃は少しくらいうぬぼれたっていいと思います。

結果ではなく、努力したプロセスを褒めてあげる

子どもが自信を持つようになるためには、どんなことが必要でしょうか?

実は、アメリカに留学したときに面白いことに気づいたんです。例えば向こうの学校では、生徒が先生に質問をすると、「グッドクエスチョン!(いい質問だね)」と先生が返してくれます。〝褒めることが当たり前〟という習慣が根付いているんですね。すると、生徒たちには競争社会を生き抜くための自信が身についていきます。たとえテストの結果が悪くても、「良く頑張ったね!」と抱きしめてあげる。結果ではなく、「頑張った」「チャレンジした」というプロセスを褒めてあげるんです。
一方、日本ではあまり子どもを褒めることをしませんよね。自信を育むのは小さな成功体験の積み重ねです。小さなことでも褒めてあげることで、それこそ明光義塾さんの掲げる“YDK(やればできる子)”が育っていくと思います。どんなに小さなことでもいいので、親は子どもの長所を一番最初に見つけて褒める存在であってほしいし、子どもの応援団でいてほしいですね。

失敗は、成功と同じくらい子どもにとって重要な体験

坂東眞理子さん

反対に、子どもが悪いことをした場合には、親としてどのような対応をすればいいでしょうか?

甘やかさず、毅然とした態度で叱ることが大切だと思います。実は、叱られること、失敗すること、挫折すること、それらは成功体験と同じくらい子どもにとって重要なことなんです。成功体験は自信を育み、失敗体験は共感力を生みます。共感力とは、人に対する理解力や思いやりのことです。ただ、失敗してそれで終わりではいけません。失敗して、それを乗り越えて、成功体験にしていくことで人間は成長していきます。
何度失敗しても諦めず、立ち上がるアメリカの学生たちの姿を今も印象的に覚えています。今の日本人は、傷つくことや失敗を恐れすぎているのではないでしょうか。

塾は子どもたちにとって大切なセカンドプレイス

確かに、近年は親が子どもの失敗に対して過敏になっている風潮があります。

そういった意味で、親には長い目で子どもを見守る視点を持ってほしいですね。学校の成績が優秀な人が必ずしも成功するわけではありませんし、受験で失敗するなんて人生のほんの一過程に過ぎません。子どもが失敗しても、いちいち悲観することはないのです。長期的な視野を持って、すべての失敗はプラスになるんだという気持ちで子どもと接してください。
長い人生、誰だって一度や二度は大きな挫折を経験するものです。大切なのは、そうした壁を乗り越えて行こうという気持ち、精神力です。そうした強い精神を持った子どもを育てるためには、学校の成績を上げることよりも、人間力を養うことの方がよっぽど重要なことは明らかです。人間力を育むこと、それから健康的に育てることですね。それが親にとっての最優先事項ではないでしょうか。

長期的な視野を持てば、子どもの反抗期にもうまく対応できそうですね。

私の子どもたちにも当然、反抗期はありました。でも、当の私は「しょうがないや」と達観したところがあって(笑)。長い目で見れば反抗期は一時的なものですし、逆に思春期に親に反抗しない子どもの方が心配になります。
仕事をしていた私の場合、母や近所の方々、保育園の先生たちにずいぶんと力を貸してもらいました。百点満点の母親ではなかったので、いろいろな方が子どもたちに愛情を注いでくれたことは、結果的に良いことだったように思います。
なぜなら、いろいろな方と接したことで、子どもの世界観が広がったと思うからです。ママ友と仲良くすることは良いことですが、その世界にとらわれてはいけません。ほかの交友関係、ほかの世界があった方が楽しく過ごせます。
それは子どもたちも一緒です。学校が居心地が良いと感じる子もいれば、そうでない子もいます。学校に自分の居場所を見つけられない子どもにとって、セカンドプレイスの存在は重要です。それは家庭であり、友人関係であり、明光義塾さんのような塾もそのひとつだと思います。そこには違う友人・知人がいて、そして違う自分がいる。これからも、明光義塾さんが “子どもたちのセカンドプレイス”であってほしいと願っています。


こちらの記事は、親子で楽しむ情報マガジン『oyakoto(オヤコト)』2016創刊号でもお読みいただけます。

この記事へのコメント

1件のコメント - この記事の感想を募集しています!

ゴールドのアイコン画像 笑里さん(東京都)
親も子どもも、何事にも固執せず、いろいろな世界を知って楽しんで生きたいですね。失敗を笑い飛ばせるように、過ぎたことは笑って、経験を積み重ねて前へ前へと進んでいけるようになりたいですね。心が軽くなる素敵なお話しを、どうもありがとうございます。