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子育て心理学:子どもの能力を引き出す「メタ認知」

カテゴリー:コミュニケーション

お子さんが勉強を「やっているつもり」から抜け出せないのは、自分を客観的に見る力「メタ認知」が欠けているからかもしれません。実は「メタ認知」は学習や運動能力向上にかかわる大切な能力。一体どのようなことなのか、身につけるにはどうしたらいいのか、法政大学心理学科・渡辺弥生教授に教えてもらいました。

子育て心理学:子どもの能力を引き出す「メタ認知」

その1. 効率的な学習とミス撲滅に欠かせない「メタ認知」

「メタ認知」とは、自分で自分を観察して「今、自分が何をしているのか」を知ることをいいます。「自分自身を客観的に見ること」と言い換えることもできるでしょう。
メタ認知は実は勉強をするときに非常に重要な役割を果たします。例えば「自分は問題文を読み飛ばしてしまう癖がある」というメタ認知ができれば、テストの際に慎重に問題文を読むようになるでしょう。「問題文は必ず3回読むようにする」といった具体的な対策もとれるようになります。自分自身のことがコントロールできるようになるとミスが減り、勉強がはかどるようになります。

またメタ認知をすることで「何がわかって何がわからないのか」をはっきりさせることができます。そのため「今取り組まなければならないこと」に集中することができ、効率よく学力を向上させることができるのです。

スポーツ中継の後のヒーローインタビューで、よくスポーツ選手が「今日の自分は、こんなことができた点がとてもよかったと思います。でもここができなかったことは反省すべき点です」などと発言しています。メタ認知とはこれができるということ。自分の行いを振り返って冷静に分析することができれば、次回に生きる反省材料を見つけ出すことができます。

メタ認知ができると質問ができるようになる

メタ認知ができると「何がわかって何がわからないのか」がはっきりするため、「ここがわかりません」と質問をすることができるようになります。
小学校低学年であれば、分からない単語を人にたずねることができるようになり、読解力が向上します。小学校高学年以降であれば、問題の目的から遡ってさまざまなアプローチ方法を考えることができるようになります。
自分自身をモニタリングできるようになると、知識のつき方が変わってくるのです。

その2. 生活の質向上にも役立つ力

メタ認知が役立つのは勉強だけではありません。家族や友人とトラブルを起こしてしまったときも、自分自身をよく観察することで原因の追究や感情のコントロールをできるようになります。また、忘れ物や遅刻など生活のなかでの細かなミスに対する対策も立てられるようになります。

例えば、夜遅くまでゲームをしていて遅刻しがちなお子さんに対して、「ゲームばかりしていてはダメでしょう」と注意をしても、効果が薄いことは保護者のみなさんはなんとなくイメージがつくと思います。
まずは「最近遅刻が多い」ということをメタ認知させ、それから「明日遅刻しないためにはどうしたらいいと思う?」「朝7時に起きるには何時に寝なくちゃいけないのかな?」「夜中までゲームをしていても大丈夫?」というように逆説のロジックで導いていけば、生活習慣の改善を期待できます。

また、メタ認知は大人にとっても役立つ能力です。「もっと効率よく家事をこなすにはどうしたらいいだろう」「仕事をもっと効率よくテキパキ進めるためには……?」と考え、普段何気なく取り組んでいることを客観的に検証してみると、よりよい方法を見つけることができるかもしれません。

その3. 「メタ認知」の力を養う方法

ぜひとも身につけてほしいメタ認知の力ですが、実はどのようなメカニズムで培われるのかはよくわかっていません。一般的には年齢とともに発達することがほとんどですが、発現には個人差があります。
ただしコーチングによってある程度その力を引き出すことは可能なので、お子さんにメタ認知能力が欠けると思われる場合は、保護者が手助けをしてあげるといいでしょう。

方法としては、お子さんがミスをしてしまったときに冷静に理由を問い、反省を促すアドバイスをすることです。感情的に叱るのではなく、「ここが間違っているのはどうしてだと思う?」「次に同じ間違いをしないためには何をしたらいいかな?」と、お子さんが一歩引いて自分のことを見られるような質問をしてあげてください。お子さんが自分の状況を説明(言語化)することで、身の回りには主観だけでなく客観的な情報もあることに気づいていきます。また物事には見えている現象だけでなく、成り立ち、方法、手続きなどがあることを知ることもできるでしょう。

ただし、あまりにも保護者がお子さんを理詰めにしてしまうとお互い疲れてしまいます。ときには楽しい例題で、説明することの訓練ができるといいですね。

渡辺先生
法政大学心理学科
渡辺弥生教授

先生からのメッセージ

メタ認知をしているつもりでも、それが独りよがりなものであれば認知は歪みます。認知を的確にするにはたくさんの人と関わること。自分像というのは、さまざまな価値観・視点を持つ人と話をすることで浮かび上がってきます。保護者がコーチングしてあげる以外にも、たくさんの人と交際を重ねることがメタ認知の養成に役立ちます。

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この記事へのコメント

5件のコメント - この記事の感想を募集しています!

プラチナのアイコン画像 むむさん(宮城県)
メタ認知という言葉は初めて知りましたが、まさに今、息子に身につけて欲しいスキルです……。親が言ってもあんまり効き目がないので、自分で認知してほしいんですけどね(^_^;
ブロンズのアイコン画像 サクさんさん(神奈川県)
メタ認知…できるに越したことはないですけど、なかなか難しいですよね。
我々大人も出来ない人が多いわけだし。
また、客観的に見れたとしても、実行する行動力も必要ですよね。
今のわが子には…ちょっとハードルが高いかなぁ。
でも、ちょっとずつ、促してみたいとは思います。
プラチナのアイコン画像 ちくでんRさん(大阪府)
私もメタ認知が何か、この記事で理解しました。子供の頃から意識する訓練ができていれば、大人になっても非常に役にたちますね!
プラチナのアイコン画像 ももうらさん(徳島県)
メタ認知、初めて聞きました。

自分自身を客観的に見ること。なかなか難しいですが、うっかりミスの多いうちの子に記事を読ませようと思います。
mahoさん(静岡県)
メタ認知について初めて知りました。子どもは勿論、私も質問することが苦手なのですが、「今自分が何をしているか」分かっていなかったと気付きました。そのことをこれから意識するようにしたいと思いました。