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子育て心理学:新学期スタート!実は保護者も悩む人間関係、上手く築くコツは?

カテゴリー:コミュニケーション
ナオミ
春は保護者にとっても新しい人間関係が生まれるシーズンです。お子さんのために、他の保護者や先生と良い関係を築くにはどのような工夫ができるでしょう。法政大学心理学科の渡辺弥生先生に教えてもらいました!

もくじ

その1. PTAや保護者会は早めに指針を確認

PTAや保護者会は早めに指針を確認

近年、半ば強制的に役割を担わせられるPTAの委員や役員などにはネガティブなイメージがついてまわっています。確かに、多忙な保護者にとっては負担が大きく「できればやりたくない」と考えてしまうのは仕方のないことなのかもしれません。私自身も、小学生の子どもを持つ母親としてそのようなシーンには覚えがあります。

PTAや保護者会などを負担に感じる理由は、あらかじめ決められたルールがほとんどないことにあります。もともとPTAは自発的に始まった組織であるため、明確な指針がない場合、何もかもが曖昧なまま手探り状態で進めなければならないことが多く、それ自体に時間がかかりイライラしてしまうこともあると思います。

PTA参加をポジティブなものとし、できるだけ時間的・精神的な負担を減らすためには、早い段階でその年の指針を決定・確認すると良いでしょう。早く予定がわかれば、分担したり備えができたりと、有意義な活動をすることができるでしょう。

PTAはほとんどが持ち回り。一度も経験せずにいられる人の方が少数派です。せっかく関わるのであればお子さんたちが楽しい学校生活を送れるように有意義な活動をしてほしいと思います。

PTA参加のメリットにも注目!
ナオミ

メイコミュでは、以前に保護者の人間関係に関する調査を実施。クラスの保護者の中に友人はいるか、どのような交流を図っているかなどを調査しました。
PTAへの参加については意外にも「経験して良かった」というポジティブな意見が多く集まりました。
この春からPTAの委員や役員になった方はぜひ、この機会を学校の情報収集のチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。

保護者同士の友人はいる? PTAに参加するメリットは? 保護者の人間関係アンケート結果
https://www.meiko-community.jp/report/special/pta2018.html

その2. 「仲良くすること」と「協力すること」は別もの

「仲良くすること」と「協力すること」は別もの

どんなに年齢や経験を重ねても「みんなで仲良く」することは無理があります。しかし、PTAや保護者会では、バックボーンの大きく異なる保護者同士が協力し合いながら、さまざまな業務をこなさなければなりません。

ここで大切なのは「仲良くすること」と「協力すること」は別ものだと知ることです。みんなで協力し合う=仲良くすることだと思ってしまうと、付随するいろいろなことが気になり、精神的な負担がどんどん大きくなります。

PTAなどの活動を通して友人ができることもありますが、それはたまたま運良く得られる成果であって、活動の目的に「友だち作り」は入れない方が無用な心配・心労を抱えずに済みます。

また、物事を進めていく過程においては、互いにやり方やスピード感も違い、他人に苛立つシーンが少なくないはずです。そのようなときは、ある程度はっきり、でも、言い方や伝え方に思いやりを持ってその内容を告げることが大切です。怒りや恨みなど負の感情を押し殺すことを感情のマネジメントだと考える人が多いですが、それではいつか爆発するときが来てしまいます。負の感情を溜め込まず、少しずつ出していった方が長期的には人間関係が上手くいくケースが多いものです。大切なのは、その分、他人の負の感情にも寛容になること。「そういう気持ちになることもあるよね」と気持ちに寄り添い感情を受けとめてあげることも時には必要です。

感情を押し殺し、イヤなことを我慢することが絆を生むことはありません。むしろ、ざっくばらんに気持ちを出し合った方が共感性が増し、トラブルは少なく済みます。

他の家庭が羨ましく見えてしまうとき

同じ学年の子を持つ保護者に対しては、共感の気持ちを抱きやすい反面、嫉妬を覚えてしまうこともあるかもしれません。

家庭環境の違いやお子さんの成績などを比べてしまい、つい「羨ましい」と考えてしまうときは次のことを試してみてください。

・相手のユニークな面や良いところを見るようにする
・自分が楽しいと思うことを考える

他人に嫉妬を抱きやすいときは、大抵、自分の中に何かやりたいことができないという欲求不満を抱えています。そのようなときは、自分が一体何を不満に思っているのかまずは紙に書き出してみてください。それから一つひとつの問題を解消あるいはコントロールする方法をできるだけたくさん考えてみます。そして、「できそう」「やれそう」なベストな解決方法を選んでやってみましょう。

例えば、いつも慌ただしくて一人でゆっくりする時間が持てないことがストレスになっていると気づいた場合、「早起きしてひとりの時間を作ろう」とか「何かを習おう」とか、色々と思いつく解決方法を挙げた上で、「ときどき一人で喫茶店に行く」などすぐやれそうな解決方法があれば、まずはそれからやってみることです。問題解決の第一歩なるかもしれません。

嫉妬をしてしまうときは、相手ではなく自分の中に問題の根っこがあるのです。

その3. 先生とのコミュニケーションが難しいときは……

先生とのコミュニケーションが難しいときは……

先生とのコミュニケーションを円滑にするためには、できるだけ「この先生はこういう人」という決めつけを心の中から排除することです。

「この先生はどんな人なのかしら」と批評的な目で見ず、1対1の人間として、共感することや丁寧に意思を伝えることに気を配りながらまっすぐ向き合えば、大きな問題は起こりにくいでしょう。

ときに、先生と保護者の意見や所感が異なることがありますが、立場やお子さんと向き合う機会が異なる以上、それは仕方のないこと。面談などで思いもよらないことを言われても、まずは内容を冷静に受け止めて、話をじっくり聞いてみましょう。
保護者が内容を突き返したり、きちんと話を聞かずに反論をしたりすれば、関係は悪化してしまいます。先生からの共感を引き出し、味方につけて、お子さんのことをしっかり見てもらえるようにしましょう。

渡辺先生
法政大学心理学科
渡辺弥生教授

先生からのメッセージ

PTAや学校の目的は、お子さんたちが居心地の良い環境で学習できることです。大人のストレスやイライラは、お子さんの学びへの意欲を喪失させます。お子さんたちが毎日新しいことをワクワクしながら学べるよう、授業ないの空室の楽しい活用法を考える、危ないところを点検して子どもたちの不安を減らすなど、保護者自身が積極的になれる取り組みを行い、他の保護者や先生と協力し合うことを最優先に考えてみてください。

<取材協力>

渡辺弥生(わたなべやよい)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。
同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、現在、法政大学文学部心理学科教授。
同大学大学院ライフスキ
教育研究所所長兼務。教育学博士。
専門は、発達心理学、発達臨床心理学。

■著書
新刊『感情の正体ー発達心理学で気持ちをマネジメントする』を筑摩書房より刊行。

その他、
『11歳の身の上相談』(講談社)
『ソーシャル・スキル・トレーニング』(日本文化科学社)
『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)
『子どもの10歳の壁とは何か?乗り越えられる発達心理学』(光文社)
など。

この記事へのコメント

4件のコメント - この記事の感想を募集しています!

プラチナのアイコン画像 ちくでんRさん(大阪府)
「他の家庭が羨ましく見えてしまうとき」のアドバイスは、先日似たような気持ちでモヤモヤしていたときにやったこととほぼ同じでした!書き出すまでもいかなかったのですが、自分が今何で嫌な気持ちになっているのかを自己分析し、そのために私はどうしたいのか、いくつか選択肢を上げて、その中でベストな方法を考え、自分を納得させました。もっとも、悩み自体は大したものではなく、翌日には忘れていましたが(笑)
プラチナのアイコン画像 むむさん(宮城県)
PTAではないですが、学校の役員や子ども会の役員になったことが何度かあります。
最初は何をやるか不安で嫌だな…という気持ちしかありませんでしたが、やってみたらやってみたで結構得るところも大きかったと思います。
先生とも顔見知りになれるし、知らないお母さんともコミュニケーションを取れるようになって、おかげで学校の情報なども手に入りやすくなりました。
確かに大変なことも多いですが、メリットもある仕事だってことを多くの人に知ってもらいたいなと思います。
シルバーのアイコン画像 kinopikoさん(東京都)
フルタイムで働いているのでなかなか学校には行けないのですが、放課後や休日に活動する係を担当しました。ちょっと苦手、と思う方がいたのですが、その方の良い面を見るようにすると、自然とその方からも話しかけてきてくれるようになったことがあります。ついつい自分との共通点を探してしまいますが、違う面を楽しめる心の余裕をもちたいと思いました。
グリーンのアイコン画像 オールフリーさん(千葉県)
これまで幼稚園でも重要な役どころ、小学校でもしなくて良いけど一児童一回の義理は果たしました。正直回数多くやりたいわけではありませんが、拒否したいと思った事もありません。お互いが支え合い、子供とのコミュニケーションの一つと思っているので苦ではないです。先生方との距離も縮まり、自分自身も学校生活を楽しめています。